電子棚札を標準化
電子棚札(ESL)市場向けの無線規格の導入により、Bluetooth®テクノロジーは小売業におけるデジタル変革を次の段階へと導き、店舗と買い物客の双方に、より良い結果をもたらすことに役立ちます。
電子棚札(ESL)とは?
電子棚札(ESL)は、電池で稼働する電子ペーパー(e-paper)の小型ディスプレイで、棚端に設置して商品および価格情報を表示し紙ラベルの代わりとなります。各ESLは無線技術を使用して中央のハブと通信し、自動的に価格表示を変更できるネットワークを形成します。
主なメリット
価格表示を自動化
歴史的に、小売店の棚付けは、ミスが起こりやすく、手間のかかる紙の値札と、時には1日に何度も行わなければならない手作業に依存していました。電子棚札ソリューションは、実店舗の価格戦略を完全に自動化し、適切な瞬間に適切な価格を表示し、シームレスなオムニチャネルリテーリングを可能にするのに役立ちます。
より効率的な業務遂行を実現
手作業による在庫管理はオペレーションを減速させ、検知を漏れた在庫切れは利益を圧迫します。ESLは、クリック&コレクトの買物客に向けた商品のピッキングと補充を合理化するとともに、商品棚の補充を迅速化して棚上の商品在庫を最適化し、販売機会の逸失を防ぎます。
買物客の満足度を向上
商品棚の前での買物客の体験は、購入の意思決定に最も重要な影響を与えるものの一つです。ESLは常に正確な価格表示と、リアルタイムのプロモーションや商品情報へのアクセスを増やし、より満足度が高く包括的なオムニチャネル体験を提供します。
出典: SES Imagotag
Bluetooth® ESL- 電子棚札市場の世界標準
これまでのESL システムは無線通信に各社独自のプロトコルを使用しており、そのことが世界的な普及に向けた潜在的な妨げとなっていました。この課題に対処するため、ESL 業界をリードする各社とBluetooth SIG が協力し、Bluetooth®技術を基に、拡張性があり、超低消費電力で高セキュリティの ESL 無線規格を策定しました。
ホワイトペーパー
スマートリテール市場における規格の重要性
本レポートでは、規格に準拠する技術の採用により、IoT技術への投資を検討している小売業者の潜在的な障害をいかに軽減できるかを考察しています。
小売業者のメリット
マルチベンダー間の相互運用性を実現
真のグローバル ESL 規格の確立により、各部品と他のベンダーによる部品との互換性が確認され、小売業者は複数のベンダーからESL部品を調達する自由と安心感を得られます。実績ある製品認定プログラムに支えられたBluetooth®ESLは、市場が求めていた標準化されたソリューションであり、導入に伴う障壁を最小限に抑え、摩擦がなく相互運用可能な ESL エコシステムの構築を可能にします。
開発者のメリット
より低コストでより迅速なイノベーションを可能に
2023 年だけでも 50 億台以上のBluetooth®対応デバイスが出荷されると予測されており、Bluetooth®ESL 開発者はBluetooth 技術がもたらすスケールメリットの恩恵を受けることができます。* サプライヤーの多様性が高まると、より魅力的な部品価格につながり、製品全体のコストを引き下げるこ とができます。また、ワイヤレス通信の標準化により、ESL ベンダーは、より付加価値の高い差別化された機能 の開発にエンジニアリングの労力を振り向けることができるようになりました。
*出典: ABIリサーチ
業界からの声
規格の定義
Bluetooth®規格は、近日公開予定の電子棚札プロファイル仕様で定義されており、Bluetooth Core Specification Version 5.4で最近リリースされたいくつかの新機能を活用しています。
注目の開発者向けリソース
Bluetooth®コア仕様Ver. 5.4 - 技術概要
この機能概要では、Bluetooth®コア仕様 Ver. 5.4 における更新について要約および説明しています。この更新内容には、無線アクセスポイント(AP)と数千の超低消費電力エンドノードとの間の安全な双方向通信を可能にする 2 つの新機能が含まれます。